各種法人の登記
- このページの目次 -
法人の登記
法人の形態には様々なものがあり、それぞれの法人について適用される法律が異なります。また、会社と比べて法務に関する文献が圧倒的に少ないことから、運営の際に適切な選択をすることが難しいものです。
当事務所の司法書士は各種法人の法務・登記に関して幅広い知識・経験があり、必ずや法人運営にお悩みの皆様の力になれることと思います。このページでは、当事務所の司法書士が担当したことのある法人の特色や注意点について、些少ではありますがご紹介しています。
1、一般社団法人・一般財団法人
平成20年に施行された「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づく組織形態で、営利か非営利かといった法人の事業目的に制約がなく、幅広く利用できる種類の法人になります。法律の趣旨は非営利を求めていませんが、自主的に非営利性を徹底することで税制上の優遇があるため、非営利的な活動をより身軽に行うための法人としても利用されることがあります。法務においてもそのような個々の事情を考慮した運営を必要とします。
また、かつての社団法人や財団法人から一般法人に移行した法人も多く存在しており、その場合は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」という特殊な法律の適用があるため、当初から一般社団法人・一般財団法人である法人とは異なる運営を行う必要があります。
2、公益社団法人・公益財団法人
1でご紹介した「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に加え、平成20年に施行された「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」の適用を受ける法人で、最も公益性の高い法人形態の一つです。法人の事業内容の公益性や会計について監督官庁の認可を必要とする法人であり、法人として成立した後も厳しい事業内容のチェックが行われることから、法務についても厳格な運営が求められます。
また、かつての社団法人や財団法人から認定を受けて公益法人に移行した歴史ある法人の場合は、これまでとは適用される法律が一変したことに伴い運営においても行政の指導により変更を求められる等することがあり、組織運営について混乱を来たしていることも少なくありません。
3、NPO法人(特定非営利活動法人)
非営利活動を行う上で法人としての世間的な知名度も高く、公益法人等に比べるとはるかに設立が容易であることから、市民活動等に広く利用されている法人形態です。
「特定非営利活動促進法」の適用を受け、主務官庁による監督が行われる一方で、法務を含む各種事務について専門家の支援を受けていないことが多く、気づかないうちに事業内容や組織運営に法的な問題が生じていることがあります。
また、個々のマンパワーを中心に運営されているという長所がある一方で社員一人ひとりが法人に寄せる想いが強く、総会における意思決定は「一人一議決権」の多数決で行われるため、会員の増加や内部での意見の対立を原因として運営が困難となってしまうこともあります。
このようなことから長期にわたり法人の運営を安定させ、熱意をもって取り組んでいる非営利活動をよりよいものとしていくため、定款の規定や総会・理事会の運営について法務面での配慮が必要となります。
4、医療法人
医療行為を実施するために「医療法」に基づき設置される法人で、社団形式・財団形式の両方の形態があります。また、社団の場合は社員の出資についての持分の有無やあるいは中間的に出資額限度法人とするといったパターンがあり、それぞれの形態にあった運営が必要です。
医療や医療と関連する各種サービスをより広く提供するためにMS法人を利用するケースも多くみられるため、株式会社や社会福祉法人等の法律に関する知識も必要となることがあります。
分類としては非営利法人となるため、特に事業の拡大の際には法律及び監督官庁から求められる非営利性とのバランスが求められます。
また、理事長については原則として医師資格が必要なこともあり、早期から事業承継等を見据えた運営が必要となります。
5、社会福祉法人
社会福祉事業を行う法人であり、「社会福祉法」の適用を受けます。行政サービスを担うことも多く、公益性の高い法人であるため、公益社団法人・公益財団法人と同様に慎重かつ堅実な法務を求められます。
また、その公益性から社会福祉法人独自の税制上の優遇を受けられることも多く、不動産取引においても登録免許税が非課税となることがある等、社会福祉法人独特の手続が必要となることもあります。
6、学校法人
「私立学校法」や「学校教育法」に基づき学校教育を目的に設置される法人です。設立の際に文部科学大臣や都道府県知事の認可が必要であり、運営に関しても近時の学校に関する法律や行政の動向も踏まえた配慮が求められます。
7、宗教法人
憲法に定められる「信教の自由」を担う法人形態であり、「宗教法人法」に基づいて成立します。法による過度な干渉が認められないことから組織の運営や意思決定のあり方についても法人内・宗派内で様々な特色があり、個々の法人に応じた運営が必要です。
また、宗教法人の自治と市民社会の調整を図るために特殊な法律・判例が存在し、適切な運営を行うためには専門的な知識が必要となります。
8、士業法人
弁護士法人、税理士法人、土地家屋調査士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人等、士業を法人形態で行う上で設立する法人です。法律の規制や運営については各先生方においてよくご存知であることは承知していますが、業務でお忙しい中、設立手続等を行うのは重い負担かと思います。各士業法人の登記等、お気軽にご相談ください。